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大人は、だれも、はじめは子どもだった。_b0002906_17481978.jpg

子育てをしていると、子どもにハッとさせられるようなことがよくあります。
親が子どもを育てているのと同時に、親は子どもから育てられ、問われていると感じます。
教師である鹿島和夫さん(2023年・没)と担当した小学校一年生たちとの交換日記「あのね帳」の声をまとめた本「1年1組せんせいあのね」からドキッとするような一年生の声をお届けします。

『ほし』たかはし みつほ

せんせい あのね
なんで そらのほしは
ほしのかたちがしてないの


『アーモンドのみ』たかぎ りょうた

おとうとはチョコレートにはいっている
アーモンドをとりだして
チョコレートのみがでるか
アーモンドのみをつちの中にうめました


『こども』いわはま えりこ

こどもはいつからおとなになるのでしょう
おとなはむかし こどもだったんでしょう
みんな そのときのきもちを
たいせつにしてもらいたいなぁ


『にんげん』えぐさ たつや

せんせい にんげんは
なんのために いきているんですか
ぼくは たっぷりあそんで
たのしむためだとおもいます
せんせいはどうおもいますか


『へんなこと』にし あきのぶ

ねるときは
もっとおきていたいのに
おきるときは
もっとねたい


『あめ』みねゆき よしえ

あめがはっぱですべりだいをしている
きょうそうでうえからおよいできて
つぎつぎにはっぱを
すべりおちていった
おてんきになったら
くものうえにかえっていくんだね

2024年1月 合掌

# by opentemple | 2024-01-01 00:00 | 今月の掲示板・ご挨拶

報恩の心とは、

報恩の心とは、_b0002906_22355465.jpg

浄土真宗のお寺やご門徒さんのご自宅で報恩講、ほんこさんが勤まる時期となりました。恩に報いると書いて報恩講ですから感謝が大事になってくるのですが、普段の感謝とは一味違うのです。
私たちの普段の感謝とは、自分の思いや欲求が実現した時にするものです。ですから、自分の思いや欲求が実現しなければ不満になります。自分の都合が良ければ感謝はでるのですが、不満の時には感謝がでてこないというのが私たちの普段の感謝です。
では報恩の感謝とはどんな感謝か。
自分にとって都合の悪いもの、不満や不安、苦悩など私たちが普段目をそむけたくなるようなものもひっくるめていただくのが報恩の感謝、報恩の心というものではないかと感じています。
自分自身の状況や周りの環境に不満や不安、苦悩がない人はいないと思います。私がどんな思いをもっていようとも、不満や不安、苦悩があろうとも、事実私はここに存在しています。そんな丸ごとの自分自身をいただいていく。もちろん自分自身では受けとめきれない、受けとめたくないということもあるかもしれません。けれども事実、私たちがここに存在しているということは、まず世界に私たちが受けとめられているわけです。
まず世界に受けとめられていることを喜びをもって受けとめる。
そして、そのことに頭が下がったところに報恩の心、南無阿弥陀仏の心があるのかもしれません。

2023年11月 合掌

# by opentemple | 2023-11-01 22:36 | 今月の掲示板・ご挨拶
とても地獄は一定すみかぞかし_b0002906_15261201.jpg

 中国で一番古い漢字辞典「説文(せつもん)」には「獄」は「犬言犬」と示されています。二匹の犬が互いに「私」を主張して吠えあっている姿、言い争いをしている姿が表現された字が地獄の「獄」です。言い争いをしているのは犬だけではありません。私たち人間も言い争いをしています。私たち人間の争いは互いに自分が正しいと思っているもの同士の争いです。夫婦喧嘩でも自分は間違っていると思いながら旦那さんとケンカする奥さんはいないのです。自分が正しいと思うから旦那さんとケンカになる。もちろん旦那さんも自分が正しいと思っている。
 私たち人間の争いはいつも善と善、正義と正義の争いだということです。互いに正義をふりかざすことで、争いを大きくするし、争いに終わりがなくなり、武力でもって相手を傷つける戦争ということまで人間はやってしまいます。
 私たちは自分を中心に物事を考え、結局のところ最後は「自分さえ良ければ、それでいい」という生き方をしてしまう。そこに地獄というものの一つの姿があるのではないでしょうか。
 そんな自分自身の姿、自分自身の生き様を知らされたとき、親鸞は地獄というのは私の居場所であった、もっと言うならば私が地獄を作り出していたという自覚から「とても地獄は一定すみかぞかし」と申されたのです。
2023年9月 合掌

# by opentemple | 2023-09-03 15:26 | 今月の掲示板・ご挨拶

死を忘れる時…


死を忘れる時…_b0002906_15112274.jpg

 「人間は死ぬ」という事実は誰もが知っていることでありながらも、いざ自分のこと、家族のことになるとなかなか直視できない事実でもあります。「死」ということを忘れているときは、「今を本気で生きる」ということを忘れているときでもあります。生きるということに足をつけていないので、生活が浮いてしまうのです。
 「死」を嫌なものだと怯え恐れていると、生活は暗くなり、沈んでしまう。人間の死亡率は100パーセントですが、最後、どんな最後の迎え方をするのかは誰にもわかりません。「死に方」を選ぶことはできませんが、「生き方」は選ぶことができます。「いつ、どこで、どんな死に方をしてもいいような生き方」をする。死を見つめる時に、生活が、生きるということが輝いてきます。
 金沢では7月に新盆、全国的には8月に旧盆を迎えます。亡き人は、わが身をもって残された者にいのちの尊さ、いのちの儚さを伝えてくださっています。同時に残された者に、そのいのちを精一杯生きてほしいと願いをかけられています。それは、いのちの仏様、阿弥陀如来の願いでもあります。
 墓前でいのちの事実、いのちの願いに耳を傾けてみてください。
合掌


# by opentemple | 2023-09-03 15:11 | 今月の掲示板・ご挨拶

どん底に大地あり

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新型コロナウイルスが感染拡大していく中で多くの方がどん底を感じられたのではないでしょうか。しかし、落ち着きを取り戻す中で改めて振り返ってみますと底なしのどん底と思っていたあの時期にもちゃんと底があり、大地があり、底に、大地に支えられていたと感じることができるのではないでしょうか。
どうにもならないと思うようなことも、どうにかなり、絶望の中にも光があったはずです。
どん底にいると上ばかり見上げていて、足元の大地に気づかない。
有頂天にいても喜びで舞い上がり、足元の大地に気づかない。
どんな時でも私たちは「大地」に、「いのちの大地」に支えられているのです。

2023年5月 合掌

# by opentemple | 2023-06-14 08:39 | 今月の掲示板・ご挨拶

ご縁を大事に、想いをつなぐ    石川県金沢市のお寺、聞善寺から発信する住職からの思い、行事やイベントのお知らせ等もあります。


by 聞善寺
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