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死の自覚が生への愛である

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終活というと断捨離などの身の回りの整理、財産整理、葬儀やお墓の準備のことを言います。しかし、終活の肝心要は「死の自覚」「命には限りがあるという自覚」になるのではないでしょうか。
自分の死を考えるのは縁起が悪いとか、まだまだ先だから考えたくないという方もおられるかと思いますが、自分の死を自覚する、自分の死を考えるということが、実は生きることを大事にすることである、生きるということを愛することであると戦後日本におけるギリシャ哲学の権威であった田中美知太郎氏はおっしゃるわけです。
改めて自分の最後を考えてみた時、多くの人が最後、自分が笑っていられて、まわりの者が悲しんでくれる、そんな最後を迎えたいと思われるのではないでしょうか。じゃあ、どうしたらそんな最後を迎えられるのか?
そのように生きたらいいわけです。最後、自分が笑っていられて、まわりの者が悲しんでくれる、そんな生き方をしたら、最後、そのような最後を迎えることができるのです。生きるということと死んでいくということはまったく別々のことではなくて、表裏一体のことです。生と死は対極にあるのではなく、生と死はともにあるわけです。死というものに向き合った時、じゃあ今なにがしたいのか、これからどのように生きたいのか、死ということから生が問われてきます。
死に向き合うということは、生に向き合うということです。生と死がともにある自分の人生に向き合い、人生を考えるということが終活というものの本質ではないかと思います。そう考えますと、終活は年配の方にだけ必要なものではなく、すべての人々に大切なことになるのではないでしょうか。
合掌

by opentemple | 2025-03-10 11:14 | 今月の掲示板・ご挨拶

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